ぶらり探訪
■神社・寺院
椿神社
最終更新日 2006.07.09 11:57
 椿神社は千僧供の氏神で、明治以前は「十禅師権現」と称し、氏子たちは「十禅さん」と呼び、親しく信心してきました。日吉山王(大津市坂本)の上七社のひとつ、樹下じゅげ神社(十禅師)を勧請したものです。
 日吉大社は比叡山に延暦寺が開かれて以来、天台宗の守護神となっており、両者はとても深い関係にあります。こうして、千僧供の地名の由来が教えるとおり、この地の鎮守社として山王系の社が勧請されたことは容易に理解できます。

 県指定文化財の同社神門には、四分四分二部しぶしぶにぶと呼ばれる際目石が敷かれています。これは、室町時代の文明19年(1487年)に馬淵・岩倉の両村間で水利を巡って争論が起こった際に、千僧供町がこの仲介に立ち、用水の配分を馬淵と千僧供が各四割、岩倉が二割と定めたときのものです。以来、地域の安定と繁栄を祈念して、この三ヶ村が馬見岡神社にて共同の祭礼を行うようになり、祭礼の費用分担にもこの比率が適用されています。

神社の草創: 長和5年(1016年)に勧請されたと社伝が伝える
御神体(像形): 4体(栗東歴史民族博物館に預託)
神門: 室町時代後期の四脚門、切妻造り、桟瓦葺(県指定文化財)
主な祭礼: 春の大祭(馬淵郷の祭礼 5月1〜5日)

日吉大社摂社樹下神社本殿